AIによる文字起こしが完了しても、生のテキストはそのままでは使いにくいことがほとんどです。「えー」「あのー」などのフィラー、言い直し、話題の脱線が含まれ、読みやすい文章にはなっていません。
ここで活躍するのが**LLM(大規模言語モデル)**による要約・整形です。この記事では、文字起こし結果をLLMで実用的なドキュメントに変換するテクニックを解説します。
文字起こし→要約のワークフロー
基本の流れ
- 音声を文字起こし: Whisperなどで音声をテキスト化
- テキストをLLMに入力: 要約・整形の指示(プロンプト)とともに入力
- 出力を確認・修正: AIの出力を確認し、必要に応じて修正
ツール内蔵 vs 外部LLM
ツール内蔵型(例: WhisperApp): 文字起こし→要約がアプリ内で完結。コピペ不要で効率的。
外部LLM(例: ChatGPT、Claude): 文字起こしテキストをコピーして別のツールに貼り付け。柔軟だが手間がかかる。
用途別プロンプトテンプレート
会議の議事録
以下の会議の文字起こしから議事録を作成してください。
【フォーマット】
■ 会議概要(日時、参加者、目的を1-2行で)
■ 議題と討議内容(議題ごとに整理)
■ 決定事項(箇条書き)
■ アクションアイテム(担当者・期限を明記)
■ 次回予定
【注意事項】
- フィラー(えー、あの)は除去
- 発言者名は保持
- 重要な数字・日付は正確に記載
インタビュー記事
以下のインタビュー文字起こしを、読みやすい記事形式に整形してください。
【フォーマット】
- 導入文(インタビュー対象者の紹介、2-3文)
- Q&A形式(質問と回答を整理)
- まとめ(インタビューのポイントを3-5点)
【注意事項】
- 話し言葉を書き言葉に変換(意味は変えない)
- 冗長な部分は要約しつつ、重要な発言は原文のまま保持
- 引用に使えそうな印象的な発言をハイライト
講義・セミナーのノート
以下の講義の文字起こしから学習ノートを作成してください。
【フォーマット】
- 講義タイトルとテーマ
- 主要トピック(見出し付き)
- 各トピックの要点(箇条書き)
- 重要な用語の定義
- 復習用の質問(3-5問)
【注意事項】
- 脱線や雑談は省略
- 図表への言及があれば「(図表参照)」と記載
- 専門用語は初出時に簡単な説明を付記
商談・営業ミーティング
以下の商談の文字起こしから営業レポートを作成してください。
【フォーマット】
- 顧客情報(社名、参加者)
- 顧客のニーズ・課題
- 提案内容と顧客の反応
- 懸念事項・質問
- 次のステップ(アクション・期限)
- 受注確度の評価
【注意事項】
- 顧客の発言は正確に記録
- ポジティブ/ネガティブな反応を明記
効果的なプロンプトのコツ
1. 出力フォーマットを具体的に指定
「要約してください」だけでは曖昧です。見出し構造、箇条書きの使い方、セクション名まで具体的に指定しましょう。
2. 除去すべき要素を明示
フィラー除去、冗長な部分の圧縮、脱線の省略など、何を除くかを明示すると出力品質が上がります。
3. 保持すべき要素を明示
重要な数字、固有名詞、決定事項、引用に使える発言など、消してほしくない情報も指定します。
4. 想定する読者を伝える
「経営層向けのエグゼクティブサマリー」なのか「チームメンバー向けの詳細な記録」なのかで、要約の粒度が大きく変わります。
長時間音声の要約戦略
問題: LLMの入力制限
LLMには一度に処理できるテキスト量(コンテキストウィンドウ)に制限があります。2時間の会議の文字起こしは数万文字になるため、一度に処理できない場合があります。
対策: 分割要約
- 文字起こしテキストを時間帯やトピックで分割
- 各セクションを個別に要約
- セクション要約を統合して全体の要約を生成
対策: タイムスタンプの活用
タイムスタンプ付きの文字起こしを使えば、特定の時間帯だけを抽出して要約することも可能です。「14:00〜14:30の議論を要約」のような使い方ができます。
まとめ
文字起こしテキストをLLMで要約・整形することで、生のテキストが実用的なドキュメントに変わります。用途に合ったプロンプトテンプレートを活用し、出力フォーマットと保持すべき情報を具体的に指定するのが成功の鍵です。
WhisperAppのLLM統合機能を使えば、文字起こしから要約までをアプリ内で完結でき、外部ツールへのコピペが不要になります。



